知っておきたいレーシック基本情報

無痛レーシックについて

○ 無痛レーシックは本当に痛みがまったくない?

 レーシックは手術中は麻酔の効果で痛みを感じませんが、術後は約1日程度、人によって程度はまちまちですがフラップを作成した際の角膜上皮のキズが痛む可能性があります。 (ほとんど痛みを感じないという例もありますが、これは術式の差ではなく個人的な痛みに対する抵抗力の違いと思われます。ただし極めて技術の高い医師が行うケラトームレーシックでは一般的なレーシックに比べて痛みが少ないというデータはあります。とはいえ、決して痛くないというわけではなく、やはり個人差によるところが一番大きいようです。

 さて、一部のクリニックでは「無痛レーシック」というメニューを提供しています。ただしこれは痛みを発生させないレーシックではなく、麻酔や患部保護によって「完全に痛みが消えるまで、痛みを感じさせない」という方法です。

○ 無痛レーシックのしくみ

 クリニックやメニューによっても術式に若干の違いはありますが、おおまかに説明すると次の通りです。
 まず、人間は緊張すると痛みに対して過敏になります。そこで手術前に、飲むタイプの鎮静剤を服用して患者さんの緊張を和らげます。そして手術後は角膜上皮のフラップ跡に保護用のコンタクトレンズを装着します。
 誰でも経験のあることでしょうが、切り傷の時にバンドエイドなどで患部をふさぐと痛みは軽減します。患部が空気に触れないこと、適度な圧迫があることによって痛覚が和らぐのです。もちろんこまめに消炎鎮痛剤を配合した点眼薬をさして眼を保護し、痛みを止めます。
 そして就寝時に睡眠薬を飲むことで、「痛みで眠れない」ということも避けられます。 翌朝にはほとんど痛みは引いてしまうので、後は翌日検診で保護用コンタクトを医師にはずしてもらい、レーシックの手術後の痛みをまったく感じないまま痛みは消えてしまう、ということになるのです。

○ 無痛レーシックの注意点

 人間の痛みは、身体の異変を知らせるシグナルでもあります。また人間の体は痛みを感じることで傷の回復が早くなるという傾向があります。医学の一般論としては「何でもかんでも痛みを感じさえしなければよい」という考え方には問題があるのです。
 とはいえ医師の管理下において行われる施術であれば心配や危険はありませんし、眼の回復が長引くというわけでもありません。事前に医師に十分相談し、カウンセリングやインフォームドコンセントを受けた上で無痛レーシックを勧められたら十分検討する価値はあると思われます。