知っておきたいレーシック基本情報

レーシックの「成功」について理解しよう

○ 視力向上だけがレーシックの「成功」でしょうか?

 一時期、レーシックを勧めるキャッチフレーズとして「裸眼視力1.5以上」などという数値目標を掲げるクリニックがありました。
 確かに裸眼視力が向上するのは素晴らしいことです。しかし、ほとんどの現代人にとって「裸眼視力1.5」は本当に必要でしょうか。
 一般に「視力」と呼ばれているのは「遠見視力」のことです。これは5メートル離れた視力表(Cの字がいろいろな方向を向いているような『ランドルト環』と呼ばれるもの)で検査を行うものですが、私たちが生活で必要な視力は遠見視力だけではありません。
 実は視力検査にはもうひとつ「近見視力表」という、眼から30センチメートルの距離で測定するものがあります。これはあまり学校などで用いられることはないようですが、私たちの日常生活で、パソコンやスマートフォンなどを使う際にはむしろ近見視力の方が重要になってきています。
ですから必ずしもレーシックを受ける際、遠見視力に重点を置きすぎるのはよくありません。

○ 「生活の質の向上」が本当の成功です。

 レーシックを受けるかどうかを検討するには、あなたの生活全体を振り返って、「レーシックを受けた方が生活の質が向上するかどうか」を考えましょう。「遠見視力がよくなって眼鏡なしでも日常生活に不自由しなくなった」ということなら生活の質が向上したといえるでしょうが、「逆に近くの細かい文字が見えづらくなった」というようなことになったら、もしも読書やパソコン作業が生活の中心になっている人にとってはかえって不自由になるかもしれないのです。

○ インフォームドコンセントの重要性

 現在は、適応検査を受けた段階で、「レーシックによって視力がどのぐらい回復し、どの程度~どの程度くらいの距離までがもっともよく見えるようになるか」という予測も立つようになっています。
 眼の状態はひとりひとり違っていて、レーシックの結果もひとりひとり違います。レーシックで誰もが「近くから遠くまでなんでもクッキリよく見える」ようになるわけではないのです。
 適応検査の結果を医師から十分に説明してもらい、自分がレーシックにどれぐらいの期待を持てるかを詳しく理解してから手術に臨むのが、レーシックを成功させるためにもっとも重要なプロセスです。