クリニックの感染症への取り組み
○ レーシックと感染症
レーシックに関する後遺症でもっとも心配されるのが感染症です。
レーシックによる感染症が世間の注目を集めるようになったのは、2008年に都内のある眼科で発生した集団感染症事件がきっかけでした。わずか半年あまりの間に70人近い感染症患者が発生したのです。
しかし、その後の保険所の立ち入り調査の結果、その眼科では機器類の消毒装置に不具合があっただけでなく、手術室に手洗いの設備がなかったり医師が手術用手袋もつけず素手で手術を行うなど医療機関として基本的な衛生管理すら行われていないずさんな体制が感染症の原因であったことが判明しています。
この眼科は診療停止処分を受け、多くの医療関係者から「およそ医師としてあるまじき行為」と激しい非難を浴びました。
この事件で「レーシックは感染症の危険が高い」という誤った知識が世間に広まってしまったのですが、上記のような衛生管理体制であればどんな外科手術でも感染症が発生するのがむしろ当然で、必ずしもレーシックは手術法や術式そのものに感染症を起こしやすい要素があるわけではありません。
○クリニックの感染症対策
およそ外科手術を行う医療機関では患者の身体に触れる機器や機具は事前に消毒したり、使い捨てできるものはなるべく使い捨てするなどの衛生措置をとっています。レーシッククリニックでも当然同様です。
どうしても感染症が心配な方は、インフォームドコンセントの段階で「このクリニックの手術室の衛生環境はどのように保たれていますか?感染症が心配なのですが、どのような対策が施されていますか?」などといった率直な質問を医師に投げかけてみましょう。