矯正不足とは
○ 矯正不足とは
レーシック手術は、角膜の表面を加工することで角膜の光の屈折率を変え、屈折異常を矯正する施術方法です。要するに網膜に像を結ぶ際のピントを合せればよいのですが、角膜の屈折率を十分に変えることができなかった場合は「矯正不足」となり、術前より視力は向上するものの、術前の「視力目標値」に到達できません。
○ 対処法は?
再手術により、角膜を再加工することで十分な視力矯正が行えると思われます。
レーシックを行うクリニックでは適応検査により、「この患者さんは必要な矯正を行えるだけの角膜の厚みがあるかどうか」を調べています。この際の角膜の厚みについては十分な余裕が見られなければ手術は行わないのが普通です。つまり「レーシックが出来るギリギリの厚みで、再手術には耐えられない」というような人は最初から手術を勧められないはずです。
なお、再手術の際の費用についてですが、一般に多くのクリニックの平均的なレーシックでは再手術がもし必要になった場合はその費用もあらかじめ手術代金に含まれています。ただしコースによっては再手術は別料金となっている場合がありますので、コースを選択する際などに費用についてはどうなっているのかをしっかり確認しておきましょう。
○ 「見え過ぎ」を期待するのは危険
レーシック手術を希望するのは、「裸眼で快適に生活できる喜び」でしょう。手術が失敗、あるいは大幅な矯正不足であった場合にはこの目的は達成できず、再手術もやむを得ないかも知れません。
しかし、「裸眼でも生活できるようになったけれど、細かい文字を見ようとするとちょっとボヤける。もっと良く見えるようになりたい」といった程度の不満で再手術に臨むのは慎重になったほうがよいかも知れません。
眼鏡ではよく発生する問題ですが、「見え過ぎる」ほど度のきつい眼鏡は長時間着用していると頭痛の原因となったりします。眼鏡の場合は度の軽いものを買い直せばそれまでですが、人間の角膜はそうそう加工すべきものではありません。視力改善は「1.5」などという数値よりも生活のクオリティがどれだけ高まるかで総合的に判断すべきでしょう。しっかり医師と相談して再手術を受けるかどうか判断したいものです。
また、術前のカウンセリングやインフォームドコンセントの段階で、自分のライフスタイルや「どの程度の見え方を望むのか」という要望をしっかり医師に伝え、それが実現できるのか、またそれが客観的に望ましい矯正度合いであるのかといった意志の疎通を十分に行っておきましょう。