知っておきたいレーシック基本情報

リグレッション-後遺症ってあるの?

リグレッション(regression)とは

 リグレッションとは、レーシックを受けた直後に一時的に著しく視力が向上しても、時間の経過とともにまた視力が落ちてゆくという現象です。以前はレーシック手術の後遺症かとも考えられていましたが、どうもそうではないことがわかってきました。
 人間の体は、急激な変化が起きるとそれを元に戻そうという反応がおきることがあります。怪我や病気の場合はその反応によって回復するわけですが、せっかくレーシックを受けて視力が向上したのに、それも元に戻そうという「体の誤反応」ではないかということです。具体的に眼のどこがどうなって視力が落ちるのかというメカニズムは完全には解明されていません。ただし、レーシックを受けた後に角膜の強度がさがり、眼圧によって角膜の形状が変化して屈折率が変わってしまうということはまれにあるようです。

 なお、リグレッションは初期のレーシックではよく発生しましたが、現在は適応検査の精度もあがり、術式的にも再生不能な角膜実質層を確実に削るため、器質的な原因ではリグレッションが発生することはほとんどありません。また、もし発生しても再手術で問題を解消することができます。
ただ、器質的にはまったく問題ないのに、なぜか視力が以前と近い数値に戻ってしまうという原因不明のリグレッションは完全になくなったとはいえないようです。

 さて、若い人に多くみられる進行性の近視の場合はレーシックを受けた後も近視が進行して再び遠くのものが見えにくくなることがありますが、これはリグレッションとは別の現象です。