知っておきたいレーシック基本情報

ドライアイ-後遺症ってあるの?

○ レーシックでドライアイになる?

 「レーシックを受けたらドライアイになった」という話を聞いたことはありませんか?
 ドライアイは正式には「角膜乾燥症」と呼ばれる眼の疾患です。何らかの原因で涙の量が少なくなったり、涙の成分が変化することで眼の表面が乾燥しやすくなり、角膜が傷つく原因となったりします。

○ ドライアイの発生原因

 ドライアイはPCなどのOA機器の使い過ぎで眼を酷使したり、冷暖房による空気の乾燥や、長年コンタクトレンズを使用することによって角膜表面が弱化し、ドライアイになりやすくなるといわれています。
 ドライアイとレーシックとの関係性は完全に解明されているわけではありませんが、よく言われるのが「レーシックによりフラップをつくる際に角膜上皮に切れ目を入れるので、角膜上皮の神経が切断され、回復までの期間ドライアイになりやすい」ということと、「レーシックで過矯正になった場合は眼の調整筋が酷使されるため、眼が疲れてドライアイになりやすくなる」という2点です。
 ドライアイそのものの症状としては、「眼が乾く感じがし、眼がゴロゴロしたり疲れやすくなる」といった自覚症状からはじまりますが、ドライアイを長期間放置しておくと角膜の表面に傷がついたり(乾いたガラスの表面を拭くと、ホコリや砂粒などで傷がつきますね。あれと同じ原理です)、結膜炎など眼の感染症にかかりやすくなるという問題も生じてきます。

○ ドライアイ対策

 レーシックを受けてしばらくの間はしっかりと点眼剤をさし、涙不足を補ってあげる必要があります。しかしいつまでもドライアイが続くようであれば、原因はレーシック以外にあるかもしれません。よく問題になるのは、「レーシックを受ける前に長年コンタクトを着用していてドライアイの傾向にあった眼が、レーシックをきっかけにドライアイの自覚症状が表面化した」といったような場合です。医師の指示に従って当分の間涙の成分に近い点眼剤を使用することで症状は緩和しますが、あまり長期間ドライアイが続くようなら、涙点プラグを鼻涙管に挿入するといった方法が有効といわれています。

○ ドライアイがずっと続くと…

 レーシックを受けた後にドライアイがずっと続くと、SPK(点状表層角膜炎)という病気が発生する可能性があります。これは角膜の上皮層に傷がつき、部分的に孔が開いたりしてしまう病気で、角膜の表面が凸凹になるため乱視を伴うことがあります。
 角膜上皮層は自然治癒力がありますから、SPKになっても医師の適切な処置が行われれば元の状態にもどりますが、SPKを放置し続けると症状が悪化し、最悪角膜の実質層にまで影響が及ぶことがあります。レーシックを受けた後に一時的にドライアイの症状を訴える人は多いのですが、どの程度の自覚症状がどれくらいの期間続いているか、定期検診の際などに詳細に医師に報告するのを怠らないようにしましょう。