知っておきたいレーシック基本情報

後遺症ってあるの?

○レーシック手術と後遺症について

 レーシックを受けるにあたり、後遺症の心配をされる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 レーシックは外科手術ですから、手術直後には一時的にさまざまな不具合が発生する可能性があります。たとえばハロ グレアに代表される「まぶしさ」に関係する眼の違和感です。しかしこれらの一時的な症状は術後1週間~1ヵ月、長いものでも数カ月のうちに自然に収束するものですから心配はありません。
 けれど、まれに自然に収束しない、治療の必要な後遺症がおきる場合もあります。

○ レーシック手術後の一時的な症状

 レーシック手術直後に自覚しやすい症状として、「ドライアイ」「ハロ」「グレア」「薄暗い場所でものが見えにくい」「目の表面が傷む」「疲れ目」「充血」…といった眼に関する不具合と、眼以外の場所に生じる「めまい」「吐き気」「気分の悪さ」「肩こり」などの症状があげられます。   レーシック手術では角膜の表面をレーザーで加工する際、角膜の表面を覆う「角膜上皮」という薄い皮膜をいったんはがして「フラップ」と呼ばれるフタをつくります。この角膜上皮には神経が通っており、この神経がフラップをつくる際に切断されるため、眼の表面にしばらく痛みが残ったり、一時的なドライアイの原因になると考えられています。
 角膜上皮は再生力があり、1ヶ月後にはほぼ完全に手術の痕跡は自然治癒するため、それに応じて一時的な不具合は解消します。
 また、人間の目の見え方は神経と密接な関係があり、眼鏡やコンタクトレンズでも、あらたに着用するようになった際や度を変えたりした直後には「見え過ぎ」などによる肩こり、気分の悪さを経験することなどは珍しくありません。レーシックでもそれと同様に、新しい目の見え方に慣れるまで何らかの不具合を眼以外の部分でも感じることがあります。これらの一時的な症状は通常、眼の回復や「見え方の慣れ」によって次第に解消します。

○レーシックが原因でおきる可能性のある後遺症

 レーシックを受けた直後に生じた一時的な不具合がなかなか解消せず、そのまま放置しておくと「後遺症」として定着してしまう危険性のあるものもあります。
レーシックによる後遺症がおきる可能性が高い原因として、レーシックを受けた際の「過矯正」と「不同視」が挙げられます。
 人間の眼はもともと屈折異常に対してかなりの調整力を持っています。レーシックの際に、必要以上に過剰に目の屈折力を矯正されてしまっても、眼本来が持つ調整力のために術後の検診で「正常」と判断されてしまうことがあります。しかしその場合、眼の調整力が常にフル稼働してしまうために眼の調節筋が酷使されてしまい、疲れ目や充血、さらには頭痛や吐き気といった症状を発生させてしまうことがあるのです。これらの症状は「慣れ」によって克服できるものではないため、放置しておくと自然治癒どころかますます症状を悪化させてしまう可能性があります。

○「後遺症?」と思ったらまずクリニックに相談

 レーシックを受けた後に何らかの気になる症状を自覚したら、まずクリニックに状況をなるべく早く詳細に報告しておきましょう。人によっては一時的症状が比較的長く継続する場合もありますが、仮に本当に副作用が発生した場合でも、それらの副作用を治療する方法はあります。クリニックの検査では眼の光学的不具合はほとんどの場合すぐに発見されるのですが、「見え方」の問題については患者さんの感覚による部分が多いため、患者さんからの報告がないとなかなか問題を発見できない場合があります。
 疑わしきは、まずクリニックに相談。それがレーシックの副作用からいちばん安全に身を守る方法です。