フラップ
人間の角膜は、人によって厚みに個人差もありますが、およそ0.5~0.65ミリの厚さがあります。このうち一番上層にある部分が「角膜上皮層」と呼ばれる部分で、厚さはおよそ0.05ミリです。人間の眼の表面をホコリやばい菌、ウイルスから守る役割を果たしています。角膜上皮層は角膜全体の10分の1の厚みしかありませんが、眼と外界を直接隔てている部分ですから再生力が優れています。常に基底層で細胞分裂が進み、古くなった上皮層の細胞は新陳代謝で涙とともに体外へ押し出してしまいます。つまり「傷ついても1~2週間で治る部分」です。しかし治るとはいうものの、完全に除去してしまうと1~2週間は眼が無防備な状態になり、その間は痛みや眼の不具合も発生しますから、完全に除去するのではなく「いったんはがして、レーシック手術後にフタをする」という方式をとるわけです。そのフタを「フラップ」と呼びます。なお、レーシック以外にフラップを作成せず角膜上皮層を除去してしまう「ラセック」や「PRK」といった施術法もあります。